【美術】歩いて、視て、触って…遊んでいるうちにいろいろな作品ができちゃった!学習会報告

81日と2日の土日、ゆずりは夏の美術学習会が無事終了しました。

 

「美術」の「学習会」

 

ときくと、ちょっとお堅い、難しそうな感じがするかもしれません。

 

でも、ゆずりはの夏の美術学習会は、毎年参加者の方から「とにかく楽しかった!」という声を沢山いただいています。

 

講師にお迎えしたのは、

彫刻家であり、色彩造形研究所所長の葉山登先生と、染織家の葉山澄子先生ご夫妻。

お二人に共通するテーマは

「いかにして、子どもたちが本来もっている感性・好奇心・意欲・自ら学ぶ力を引き出すか」

ということです。

まさに「保育」に直結する美術教育のプロであるお二人から飛び出る言葉には、

保育士さんたち思わず「納得!」な内容が沢山あります。

 

「子どもたちの表情が羅針盤になるよ」

「表現は心の動きから生じるから、心が動くしかけを考えよう」

「今できなくても、醸す時間をもち、できるようになるのを待てば大丈夫」

「できないことではなく、できることを見つけて後押ししよう」

「多様なかかわりで実現していこう」

 

大人の目線からいえば、まるで「保育をする」ような美術。

子どもの目線からいえば、ただ「あそぶ」中でワクワクと対象と向き合っているうちにいつの間にか作品ができている。

そんな風に美術を楽しめたらいいなぁ、と思いませんか?

 

今年はどんな二日間だったのか・・・ちょっと振り返ってご紹介しますね!

色と色の出会いを体験する水彩画

「色彩感覚」は色のセンスの良し悪し、ではなく

「色を感じる力&色を使いこなす力」です、と澄子先生。

 

これは、乳幼児が体験の中で後天的に獲得していくものなので乳幼児期に、どんな風に色彩と出会うかがとても大切ということですね。

 

澄子先生は続けます。

「画家やデザイナーじゃない、一般の人にとって色彩感覚はなぜ大切なの?」

 

それは、たとえば、夕日を見て、きれいだな~と思って、うれしい気持ちになったり安心したりすることだったり、

むこうから真っ赤な火の手が迫ってきた時、『あぶない!』と思って考える前に逃げられることだったり。

「色彩感覚」は人間の健康や、危険回避・・・つまり「命を守るため」に必須の能力なんですね。

 

美術と危機管理、日ごろなかなか頭の中で結びつかないかもしれませんが、確かにそうかも!

日々子どもの命を守る仕事をしている参加者の皆さん、「目からウロコ」「でもとっても腑に落ちた」

と納得されていました。

 

そんなお話を聞いたあとに取り組んだ、「黄色・赤・二種類の青 の出会いを体験する水彩画」。

「上手に描かなきゃ」というプレッシャーがなく、色を感じる気持ちを解放して、色と色の出会いを純粋に楽しめる絵画体験に、みなさん童心にかえって夢中で取り組んでいらっしゃいました!


身体で「動き」を感じて表現しよう


あれあれ?まるでわらべうたをやっているみたい。今日は「美術」のはずでは?

 

大丈夫、これも美術の一部です。

 

「絵がかけない」「工作したくない」そういう子どもって時々いますよね。

これって、描きたいもの、作りたいもののイメージが無いのが原因のことが多いのです。

 

じゃあ「イメージ」はどうやったら湧くのでしょう?

 

登先生いわく、

まずは『身体』を使って動きを感じること。すると、『心』が動く。

そこではじめてイメージが生まれる。あとはそれをそのまま表現すればそれが美術になる。」

とのこと。

 

そこでこうして、実際に身体を動かして、エネルギーの向う方向性や力のかかり方、ワクワクドキドキ感を感じた上で、

その後工作やデッサンをしました。

 

ただ形を作るのではなく体験したことをイメージしながら、対象と会話をしていくような工作とデッサン、

美術が苦手・・・という方も楽しんで参加できました。


フェルトボール・モビールづくり

二日目は、初日の体験を活かして、子どもと受け渡ししてあそんだり、おままごとに使ったり、針刺しにしたり、なんにでも使える世界でたったひとつのフェルトボールを作りました。

 

ふわふわの羊毛の感触に思わずうっとり・・・しながら、

子どもをあやすように、いつくしむような手つきでフェルトを丸め、少しずつ毛糸が絡まって形になっていく楽しさに、みなさん夢中で取り組みました。

 

最後には、紙と身近なものでのモビール作り。

子どもが目で追ったり、時々触ってみたり、園のどこかに飾ってあって、幼児になってからも「なんか楽しいなぁ」と思わず見つめてしまうようなモビールです。

参加者それぞれの個性が発揮されて、とっても楽しい仕上がり具合にみなさんニコニコでした。


そんな参加者の皆さんからいただいた感想の一部をご紹介します。

 

●とにかく楽しかったです。楽しみながら自分の感性をフルに使って表現するって、体力をとても使うのだなと改めて実感しました。この心地よい疲れを感じられた事は、子ども理解の面でもとても良い経験でした。わらべうたを行う時に余韻を楽しむといわれますが、美術も同じなのだと二日間の体験を通して強く感じました。

 

●上手、下手を考えずに、方向性をしっかり見ていけば、色や形が見えてきて出来上がるなど、目からウロコでした。二日間あっという間でした。

 

●今まで自分が受けてきた美術教育とは全く違い、人と比べる事なく、上手下手の評価を意識することなく正解のない世界でじっくりと自分に向き合い感性に向き合い、心から楽しむことができました。

 

●表現の世界は人の心に、生活に、とてもよい影響を与える、と改めて知りとてもよかったです。

 

●自分の働きかけが作品に変化を生む その楽しさに気付かされました。日頃なにげなく行っている事であっても、色や形とじっくり時間をかけむきあう事で新たな自分を発見し楽しむことができました。

 

●とても楽しくて心豊かになれた気がします。

 

●1人で製作しながらいろいろな感情があったり、皆で作品を共有することで刺激になったり、とても楽しかったです。

 

●見ること、感じること、触れること より多くの感覚を刺激することで、考える力や豊かな心を育てるきっかけを作ることができると感じました。

 

●時間を忘れて夢中で取り組んでいて、もっとやりたいと思いました。あそんでいる時の子どもの気持ちを実感できて、子どものあそびの背景を考えて待つ、ということの重要性を体感できました。

 

ご参加くださった皆様、ありがとうございました♪

美術が好きな方も苦手な方も、また来年の夏お会いしましょう!